ビジネスとして商品を売ろうとしている人たちは、その顧客獲得に必死です。いかにして自身の商品をお得に見せて売るかを日々研究しています。
そのため、買い手側としても注意しなければならないことがあります。
営業技術が卓越した販売員に押されて、必要でないものを購入してしまった、お得だと思って購入したけど対してお得じゃなかった、もっと安く変える方法もあった、などという状況にはまってしまったら、必要以上の出費をしてしまった、要は無駄遣いをしてしまったということになります。
そのような状況に陥らないためにも、売り手側が用いる「いかにもお得に見せる手法」をいくつか把握しておくことは重要ではないでしょうか。
そこで本記事では、泳がされ過ぎない用意、注意すべき売り手側の手法について紹介してみたいと思います。
「〇キュッパ」などの言葉の響きのいい価格設定をして安く見せる
サンキュッパ、ヨンキュッパなどという言葉を聞いたことがある人も多いかと思います。
例えば同じ商品が5万円で売られていた場合と、4万9800円で売られていた場合、後者の方がとてもお得に感じてしまいませんか。
まず最大の位が1つ小さいという点で人間の脳はとても安いという風に錯覚してしまいがちです。
また、「〇キュッパ」という心地よい言葉の響きの効果もあわされるために、これは相当お買い得だと思ってしまいがちです。
しかし、実際には200円しか変わらず、そんなにお得ではありません。4万9800円の商品でも、結局は消費税を入れると5万円を超えてしまいます。税込み価格をすぐに頭でイメージできればそれほど安くないということはわかるかと思います。
昔とある家電量販店のテレビCMで、税抜9980円の他社商品に対してお笑い芸人が「中途半端だ」とツッコミをいれたうえで、「うちでは税込みで1万円だ」と主張するものがありました。
(それはその家電量販店の販売戦略でもありますが)そのツッコミ自体はとても的確なものではないでしょうか。
言葉の響きや価格の最大の位だけでお得だと錯覚しない心構えが必要です。
最初に値段を明かさず商品の良さを数日間PRし続ける
これはFXやバイナリーオプションといった投資や、ブログアフィリエイトなどの副業ビジネス関連のツールやコンサル販売によく用いられる手法です。

SNSや何らかのサイトを閲覧していると、そのスポンサー広告に、「○○で初心者にも稼げる方法はコチラ」といったものが出ることがあります。
それらをクリックしたら、メルマガ登録などを促され、登録すればFXのツールなどのいいところを解説した動画などが数日にわたって送られてきます。
登録自体は無料で、メルマガに送られてくる動画も無料で見られますが、数日間メルマガを受けた後、ほぼ間違いなく高額商品の案内に続きます。
最後の最後に販売の案内が出るまで、価格は明かしません。メルマガに登録した時点で「この商品は5万円です」などといってしまえば、その時点で離れてしまう人も多いからでしょう。
メルマガ購読中はまったく金額の話が出てこないので「タダでもらえるんじゃないか」と勘違いしてしまうこともあります。
金額の話を全くしないまま、「その商品が良いものだ」と数日間刷り込まれて、最後に突如販売の案内になります。
販売の案内のやり方も特徴的で、その金額が掲載されているのは販売ページのかなり下の方です。
そこまで、「この商品は絶対良い」「今買わなきゃ損だ」とダラダラと説明があり、「最初は50万円くらいで販売しようと思っていました。それくらいの価値は十分あります。
でもよりたくさんの人に成功してほしいから5万円で販売します」などと、最後までお得感を演出してようやく販売金額が明かされます。
「タダならもらおう」「数千円程度だったら買おう」と考えていた人は、その時点で貴重な時間を無駄にしてしまったことになります。
それだけならまだいいのですが、「高いけどよさそうだ」と思って買ってしまった挙句、使えないものだったら詐欺にあったも同然ですね。
実際FXのツールなんかはこういった手法で販売されますが、その中で本当に使えるものはごく少数でしょう。
自分自身で必要だと判断したものであれば買っても構わないと思いますが、広告欄に案内が出ている時点で、営利目的であることは把握しておく必要があります。
二重価格販売戦略
二重価格により販売戦略は、観光地の繁華街などで時々使われる手法です。
たとえば500円で買えるものを1000円で売ったとしても買う人はいないと思います。
ところが、従来なら3000円するものを1000円で買えるとしたら、お得に感じて買ってしまう人も多いでしょう。
そこで、「実際は数百円で買えるけど、数千円するように思わせて1000円で販売する」という販売作戦が取られることがあります。
「商品それぞれに、数千円から1万円近い価格の値札が張られていますが、値札以下変わらず1000円均一です」とうたって販売している店を実際に見たことがあります。
売っている商品はきれいなアクセサリーなどで、目利きの専門家などでもない限り、見た目は割と高価にみえます。
なので実際にお土産として購入すれば喜ばれる可能性も十分にありますが、値札に書かれている価格と実際に買った金額の差ほどお得ではないということは頭に入れておいた方が良いと思います。
特に観光をしている最中は気分が高揚しているので財布の紐が緩くなりがちです。
完全に洗脳されて絶対お得だと思って無駄なものまで買ってしまわないように注意が必要です。
残り1品、1個商法
人というのは普通に買えると別に何とも思わないのですが、それが残り1品、1個とか言われると何か買いたい衝動にかられるものです。
ネットとかで残り1品、1個とか表示されていたらどうでしょうか?
やっぱり気になりますよね。
2,3日気になってしまったらもうダメです。
いつの間にかポチってしまいますよね。
でもポチったのにまだ販売されているもしくは一旦売り切れて2,3日後に販売されている。
そんな事もザラにあります。
もちろん本当に残り1品、1個という事もありますが、それでも本当に欲しいのかどうか一旦立ち止まって考えましょう。
最大〇〇%という値引き商法
これはよくあります。
大手ECサイトでもよくやる行為ですよね。
バナー、広告等で最大〇〇%割引という文字を見てしまうと少し覗いてみようかなという気持ちになりませんか?

ただここには落とし穴があります。
2パターンの例を挙げておきますので確認してみて下さい。
定価を高くしておいて割引するパターン
極端に言いますと、通常は1000円で販売されている商品の定価が5000円と設定されていたらどうでしょうか?
その場合、80%OFFになりますよね?
普通にみれば相場の商品が1000円であれば普通なのですが、定価を上げててさらに80%OFFとなっていれば「えっ???」ってなりませんか?
これは某大手サイトがやって問題になりましたよね。
本当に悪質だと思いますので十分注意して下さい。
どうでもいい商品が激安になっているパターン
最大〇〇%という値引きの記載が合ったとします。
その店舗に置いてある商品が100種類ありその中の2,3個が80%OFFにしてあればどうでしょう?
間違いなくその店はバナーや広告に値引き率を記載します。
もちろん嘘ではありませんが、そんな値引き広告を出されたら気になって覗いてみようかなという気になりますよね。
ただ数個だけ安くして他は通常の値段なら「はぁ?」っていう感じになります。
でも、せっかく覗いてみたんだからちょっと見てみようかなという風になりませんか?
その時点で売り手の手法にひっかかっております。
とにかく見させる事、そんなやり方をするお店もあります。
もちろん嘘ではありませんが、でもよく考えるとやり方は汚いですよね。
そういうお店はたくさんありますので気をつけましょう。
比較商法
もし同じような商品があったとして、1個はすごく高くてもう1つはすごく安かったらどうですか?
安い商品の方がお得かもという感じになりませんか?
そうなるとそこで気になってしまいますよね。
別に今すぐ要らないモノであってもこれだけ安ければいつかは使うという気持ちになりませんか?
その時点で売り手に心を掴まれています。
正直、売り手は高い商品なんて売る気はサラサラないのかもしれません。
安い商品を大量に仕入れている可能性もあります。
極論をいうと、もしかしたら高い商品はないのかもしれません。
そんなのに踊らされていたら悔しくないですか?
なので絶対にそんなやり方に踊らされないように注意しましょう。
ダミー商品商法
よくあるのが不動産屋の物件です。
存在しない物件に対して格安でHPやチラシなどに宣伝します。

そしてお客さんから連絡が来たら、こう言うのです、、、
「すみません。こちらの物件は借り手がついてしまって。。。」
そしてその後に続ける言葉が
「よければ他の物件をお探ししましょうか?」
どうですか?
賃貸物件を探している時によく聞く言葉ではないですか?
これって本当は違法なんです。
でも今でもよく使われる手法です。
こうやって客を集客して別の物件を紹介するのは、商品でもあります。
1品ものやレア商品を出しておいて購入しようとすると売り切れになるみたいな感じです。
本当に卑怯ですよね。これは立派な悪徳商法です。
でも売り手も何とかする為に必死です。
だからこそ騙されないように気をつけましょう。
今の時代はスマホで価格が確認できる
欲しいなと思った時はまずは一呼吸置くようにしましょう。
昔は調べようがなかったですが、今の時代はスマホで商品の価格が確認できます。
色んな比較サイトもありますので買いたい商品が本当に安いのかどうかを確認するのも手だと思います。
今すぐ欲しい商品なら別ですが、待てる商品であれば安い所で買うのもいいのではないでしょうか?
欲しいと思ったら買うというのもいいですが、欲しいと思ったら調べるというのも良い節約になってくれると思います。
お得は周りが作るものではなく自分で作るものです。
さいごに
当記事では、ものを売りたいというビジネス戦略に対して、買い手となりうる側が気を付けるべき点をまとめてみました。
低賃金の時代を生き抜くには、節約をすることも極めて重要です。一方売り手側も生活が懸かっていますから、実際以上に商品を良く見せようとしてきます。
上述したような戦略のほとんどはかろうじて合法的な範囲で行われていますが、中には違法といえるレベルの誇大広告を出すところもありますので注意が必要です。
(かつて「これを飲むだけで末期ガンが治る」などという胡散臭い広告を見たことがあります)
「本当に必要なものだけをできるだけお得に買う」ためにも、売り手側の様々な作戦に泳がされ過ぎない能力も必要でしょう。
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