歯は一生物であり、一本100万円以上の価値があるとも言われています。
日々の歯磨きは習慣化している人が大半であり、歯は私たちの生活でたくさんの役割を担ってくれていますが、そのケアに関して万全だと胸を張って言える人は果たしてどれほどいるのでしょうか?
今回は、歯のスペシャリストとも言える歯科衛生士の年収や仕事内容、将来性について解説します。
歯科衛生士の仕事内容
定期検診に通っていたり、虫歯を患ってしまった際にお世話になる歯科衛生士ですが、その仕事内容はどのようなものなのでしょうか?
歯科衛生士の業務範囲とは
歯科衛生士は主に以下の3つの業務を行なっています。
歯科予防処置
歯科衛生士は治療に関する知識を持ち、薬の用法などにも大変詳しいです。
さらに国家資格を持っているため、直接患者の口に手を入れて処置をすることができます。
自分では取り除くことができない歯石などを、歯科衛生士が専門の器具を使用して除去し、そのあとの歯にフッ素を塗って処置をしてくれます。
こうすることで虫歯を未然に防ぐことができるのです。
歯科保健指導
まず虫歯などにならないためには日頃の歯磨きが重要です。
ブラシの当て方や角度、動かし方からおすすめの歯ブラシまで、歯磨きについて的確なアドバイスが行えます。
学校や介護施設での歯科検診でも、歯科衛生士は活躍しています。
歯の磨き方、ものの食べ方など、口の中の病を未然に防ぐための活動を行っているのです。
科診療補助
歯科医師のサポートをするのも歯科衛生士の仕事です。
クリニックの人での多寡により業務範囲は変わってきます。
診療器具の滅菌やクリニック内の清掃も行う場合もあります。
健康のサポート
まず歯科衛生士の仕事として浮かびやすいのは、虫歯治療などのサポート業務かもしれませんが、実は予防的指導も歯科衛生士の大きな役割です。
いざ口腔内に不調が発生してからではなく、そうした問題が起こらないよう、事前にアドバイスを与えることが、私たちのそもそもの健康のサポートにも繋がっています。
歯科衛生士の働き方
ここからは、歯科衛生士の雇用形態や勤務時間について説明します。
歯科衛生士の雇用形態
歯科衛生士の雇用形態は、正社員やパートが主流になっています。
歯科衛生士は常に人材が不足している状況のため、職場では大変重宝されていることでしょう。
正社員として働く場合は前述のように予防措置や診療補助を行うのはもちろん、矯正などに特化したクリニックであれば、それに応じた専門知識などを身につけて働いています。
パートやアルバイトをまとめる立場にもあるため、欠員などが出れば残業をしても業務を回さなければならない責任があります。
しかし一度正社員として籍を得れば、出産や育児の後も復職しやすいため、女性が働きやすい職種と言えるでしょう。
パートやアルバイトで働く場合も、正社員と仕事内容に大差はありません。
保持している資格は同じであるため、同じだけの責任がある業務を任せられますし、正社員が働けない時間帯に勤務をしなければならないこともあります。
相応の勤務態度が求められるでしょう。
休日、勤務時間はどれくらい?
基本的にクリニックの外来診療とほぼ同じですが、診療準備や器具の清掃などもあるため、残業が発生することもあります。
クリニックでは診察が午前と午後に別れているので、昼休みが長く取れることが特徴のひとつです。
正社員・フルタイムの勤務時間は7.5時間から8時間ですが、パートとして数時間だけ働く歯科衛生士もいます。
休日はクリニックの休診日と同日です。
週一回の休診日に加え、院内で交代で休みを取り、月に8日の休みを取るパターンが多いようです。
このように、月に何十時間もの残業や、少なすぎる休日に苦しめられることは恐らくありませんが、患者ありきの仕事でもあるため、多少不規則な勤務になることは覚悟するべきでしょう。
歯科衛生士の給与
無理することなく働けて、魅力のある勤務体系の歯科衛生士ですが、給与に関してはどうなっているのでしょうか?
昇給は少ない
歯科衛生士の平均年収は約35歳で370万ほどです。貴重な国家資格でもあることから、どこでも一定の需要はあります。
しかし、給与については一定の段階で昇給はストップしてしまい、ずっと上がり続けていく環境ではありません。
規模別に見ると1000人以上のクリニックに勤める歯科衛生士の年収が高い傾向にあります。10人~99人の規模に勤める歯科衛生士は平均年収358万円、100人~999人は392万円なのに対し、1000人以上の場合は434万円となっています。
もちろん勤務先クリニックによって給与体系や待遇には差があるため一概には言えませんが、一般的にはなかなか高収入を得るのは難しいのかもしれません。
歯科衛生士の将来性
ここからは塾講師の今後の需要について説明します。
今後の需要は?
歯科衛生士としての人材は慢性的に不足しているため、今後も需要がなくなることはないでしょう。
現状既に必要な歯科衛生士の数が確保できていないクリニックも多くあります。
また近年では「医療連携」といって、他の不調を訴える患者に対して口腔ケアを行う病院も出てきているので、一般病院での雇用も期待できるでしょう。
そうした状況であるため、転職・新卒・復職などどのような経緯でも、歯科衛生士として勤務先を見つけることは難しくないようです。中には働きながら資格を取って歯科衛生士への転職を目指す人もいるほどです。
将来のキャリアを考える
歯科衛生士になると、そのあと様々なキャリアパスが選択可能です。
他の衛生士をまとめる立場に就くのか、専門分野を見つけてそのスペシャリストとして活動するのか、福祉施設などで働くことを主眼に置くのかなど、就職のタイミングでこれからの自分はどういったかたちで働いていきたいのかを明確に描けているかどうかで、その後の職務充実度ややりがいは変わってくるでしょう。
さいごに
いかがでしょうか?
歯科衛生士の需要は今も昔も多くあるため、就職先を見つけること自体はそこまで困難ではなく、休日や勤務時間などの待遇も悪くはありません。
女性であれば自身のライフステージに合わせた働き方を選択することもできるでしょう。
しかし収入アップには限界があるため、自分がどの点を優先して働きたいのかを考える必要はあります。
口腔内の健康はその他の部分の健康、ひいてはその人自身の健康にも大きな影響を及ぼします。
そのため責任は重い仕事ですが、患者と向き合って丁寧に予防指導をしたり、治療がより良く施されるようサポートをすることはやりがいがあり、働く喜びを感じやすいものと言えます。
さらにはホワイトニングや矯正など、審美的観点からもその需要は多くあるでしょう。自分での処置にはどうしても限界があるからです。
歯科衛生士となり、人々の健康のサポートや、より良い口内環境の提供に力を貸し、日々やりがいを感じながら働きたいと感じる人はぜひチャレンジしてみてください。
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