交通事故や地震、火災やケガなど、私たちの日常には、たくさんのリスクが付きまとっています。
そんなもしもの事態に私たちを手助けしてくれるのが「損害保険」です。
損害保険には、たくさんの種類が存在しているので、よくわからないという方も多いと思います。
ちなみに生命保険に関しては別の記事で記載していますのでそちらを御覧下さい。

今回は、損害保険の基礎知識について詳しく解説していきます。
この記事で学べる事
・損害保険とは?
・代表的な損害保険について
・その他の損害保険について
この記事は、2級FP(ファイナンシャルプランナー)技能士資格所有者が作成しています。
損害保険とは?
損害保険は、日常生活の中で偶然起こる災害や事故などのリスクに対処する保険です。
損害保険と言えば、火災保険や地震保険のように自分の損害を補填する保険のイメージが強いですが、他人に与えた損害も補償してくれる保険が存在しています。
次の章では、代表的な損害保険について紹介していきます。
代表的な損害保険
代表的な損害保険は、
・火災保険
・地震保険
・自動車保険
・傷害保険
があります。
一つづつ詳しく解説していきます。
火災保険
火災保険は、火災だけでなく、落雷、爆発、風災、ひょう災、などの損害も補償される保険です。
補償の対象は、住居用の建物および家財(一部対象外)が対象になります。
(※自動車は補償の対象外です。)
保障の範囲・保障期間は、保険の種類によっても異なります。
火災による家屋の損害は、とても大きな損失となります。
火災保険に加入しておくことで、様々な災害による家屋の消失のリスクを補填することが可能になります。
地震保険
火災保険では、地震による損壊や地震が原因の火災による損害の補填は適応されません。(地震による火災は、火災保険が一部適応される場合もあります。)
もしも地震関連による損害を補填したい場合は、地震保険に加入する必要があります。
地震保険は、基本的に火災保険に付帯する形で加入することになります。
また、すでに火災保険に加入している場合は、保険期間中でも地震保険を付帯することが可能です。
地震保険の補償対象は、住居用の建物および家財(一部対象外)が対象です。
地震保険は、補償金額に上限があるので注意が必要となります。
自動車保険
自動車保険には、強制加入の「自賠責保険」と自分で加入する「任意保険」に分けられます。
各特長を確認していきましょう。
自賠責保険について
自賠責保険は、自動車走行時の人身事故を補償する保険です。
原則として、全ての自動車(二輪車と原付も含む)に加入が義務づけられています。
自賠責保険の補償限度額は、1名につき死亡の場合で3,000万円、障害の場合で120万円、後遺障害の場合最大で4,000万円になります。
なお、この自賠責保険は、基本的には車検の際に更新することになります。
任意の自動車保険について
自賠責保険だけでは補えない対人の賠償金や対物に対する賠償金、車両の補填などに備える場合には、任意の自動車保険に加入する必要があります。
こちらは、強制ではありませんが、基本的にほとんどの人が加入していますよね?
それほどに日本では、交通事故が多く、賠償金も高額です。
任意保険は、保険会社や年齢、保険の種類によって保険の金額や保障の金額が異なります。
任意の自動車保険は、ご自身に合った保険の内容を選択することが出来ます。
傷害保険
傷害保険は、日常生活でのケガを対象に保険金を受け取ることができる保険です。
傷害保険も様々な種類があり、種類によって補償内容も異なります。
例えば、家族全員を補償するタイプの傷害保険や国内旅行限定の傷害保険、国外旅行限定の傷害保険などもあります。
また、病気や自殺などは傷害保険の対象外となるので注意しましょう。
障害保険の詳細は、保険の契約時に詳しい内容を確認することが重要です。
その他の損害保険
先ほど紹介した代表的な損害保険の他に
・企業向け保険
・個人向けの賠償責任保険
・法人向けの賠償責任保険
があります。
以上の3つの保険も詳しく確認していきましょう。
企業向け保険
損害保険は、企業向けの保険も存在しています。
普通の人は、あまり関係がないように思えますが、損害保険の基礎を学ぶということで、簡単に内容を理解しておきましょう。
企業向けの保険は、主に以下の4つがあります。
①機械保険
機械保険は、稼働可能な状態にある機械設備や装置の誤作動や欠落、偶然の事故などによって機械設備や装置に損害が発生した場合に備える保険です。
機械保険に加入していることで、機械に損害が発生した場合、復旧の修理費が補償されます。
ただし火災による機械の損害は、機械保険の補償の対象外となります。
②店舗休業保険
小売業・卸売業・サービス業などの店舗・事業所が災害などによって、営業が停止もしくは阻害された場合の営業損失を補償する保険です。
③企業費用・利益総合保険
施設(工場や倉庫など)や設備が偶然による事故により受けた損害損害
突発的な事故により、電気・ガス・熱・水道の供給や電話などの通信が阻害された場合の休業損失
を補うことが出来る保険です。
④地震危険保障特約
地震保険で補償されない部分に「地震危険補償特約」を付加することで、企業の地震による損害を補償することが可能になります。
個人向けの賠償責任保険
自身の不注意や怠慢によって他人に損害を与えた場合に、その損害を賠償しなければいけません(これを損害賠償と言います)。
賠償責任保険とは、その損害賠償を補填することができる保険です。
賠償責任保険には、
・個人向けの賠償責任保険
・法人向けの賠償責任保険
があります。
まずは、個人向けの賠償責任保険について解説していきます。
個人向けの賠償責任保険は、個人が日常生活の中で不慮な事故によって、
他人の生命や身体・財産に損害を与えた場合に法律上に負担しなければならない損害賠償責任を補填することができます。
例えば、他人にけがをさせてしまった場合は、治療費や休業の保障
他人を死亡させた場合は、被害者がこれから得られたであろう利益額
他人のものを壊してしまった場合は、修理費用など
を補填することが可能です。
個人向けの賠償責任保険では、業務上の損害については保障されません。
補償対象の例
・自転車に乗っているときに、歩行者にぶつかってケガをさせてしまった場合
・キャッチボールをしていて、隣の家の窓ガラスを割ってしまった場合
・飼っている犬が近所の子どもにかみついてケガをさせてしまった場合
・スキーやスノーボード中に他人に接触して、ケガをさせてしまった場合
などなど
補償対象外の例
・原付(原動機付自転車)を運転中に歩行者にケガをさせてしまった場合
・友人に腹を立てて、ついつい暴力を振るってケガをさせてしまった場合
・友人に借りた道具を壊してしまった場合
・同居人の家族にケガをさせてしまった場合
このような場合は、保険の対象外となります。
法人向けの賠償責任保険
法人向けの賠償責任保険は、名前通り法人向けの損害賠償責任を補償する保険です。
法人向け賠償責任保険にも、たくさんの種類が存在しているため、業種に合わせた保険選びが重要になります。
簡単に種類を紹介していきます。
下記が、法人向けの賠償責任保険です。
①生産物賠償責任保険
生産した製品の欠陥や工事や作業が原因で発生した事故による損害賠償責任を補填する保険です。
補償対象の例
・レストランで調理した料理が原因で食中毒が発生した場合の賠償
・住宅の水道管を工事完了後、工事ミスによる水漏れ事故によって発生した損害賠償
など
②施設所有者賠償責任保険
飲食店やビル、小売店などの施設において、管理の不備などで他人の身体や生命・財産に損害を与えた場合の損害賠償責任を補填する保険です。
補償対象の例
・飲食店の従業員が不注意により、飲み物などをこぼしてお客さんの服を汚してしまった場合の損害賠償
・小売店の従業員が商品運搬時に、お客さんにぶつかってしまったことでケガをさせてしまった場合の損害賠償
など
③労働災害総合保険
従業員が業務上の災害によってケガをしてしまった際の賠償責任を補填する保険です。
④請負業者賠償責任保険
建築工事や土木工事中に他人に損害を与えた場合の損害賠償を補填する保険です。
⑤受託者賠償責任保険
他人の物を預かる施設内で、預かり物の破損や盗難などの損害賠償を補填する保険です。
⑥会社役員賠償責任保険
会社役員が業務上行った行為が原因で会社に損害を与えた場合の損害賠償を補填する保険です。
もしもの備えの損害保険
保険は必要です。
もし何かが合った時、自分だけの問題ならいいですが、周りも被害を被る事があります。
そして家族がいれば家族にも悲しい思いをさせてしまいます。
その際、解決できる1番の方法がお金です。
どれだけ謝罪しても結局お金なのです。
逆を言えば何か合った時、保険で対応しますと言えば相手も納得してくれます。
だからこそもしもの備えを絶対しておく必要があります。
家を買ったり借りたりすれば火災保険、車を買えば自動車保険などなど上記で紹介した保険に関してしっかり補償内容が見合っているのかどうかも確認しましょう。
もし自動車保険に入っていたとして補償内容が50%ならどうですか?
残りの50%は持ち出しです。
もしそれで対応できるならいいですが、対応できなければ色んな人に迷惑をかける事になりますよね。
自分には関係ないという感じで保険に入っていない人も多くいますが、そんな人は車に乗る資格ありません。
自動車保険だけではありません、今回たくさんの保険を紹介させて頂きましたが、保険に入るという事は社会人としての義務というのも理解して頂きたいと思います。
自分に見合った保険内容をしっかり考える
色んな保険があるなかで本当に必要なものなのかどうかも考えて下さい。
また補償内容についてもそんなに必要?っというものもあったりします。
自動車保険については無制限が必須だと思いますが、逆にこの保険ならこの金額ぐらいでいいだろうというものも中にはあります。
そういった意味でも保険に加入する際はしっかり精査しましょう。
もし分からない場合は保険プランナーみたいな方にしっかり相談するのも良いと思います。
そして保険料を払いすぎず、加入しすぎずという方向で自分に見合った保険に加入するようにしましょう。
どんな保険が自分に合ってるか分からない場合は相談する事が大事
保険には色んな種類があります。
今回は損害保険という名目でフィーチャーしてみましたが、それでも種類が多すぎて自分が何に入ればいいか分からないと思います。
そんな時は上記でも書いてますが、保険のプロに相談する事が大事です。
今の世の中ショッピングモールに行けば様々な保険の代理店が存在します。
めんどくさいと思ってしまうかもしれませんが、何かあってからでは遅いのです。
1度でも良いのでほけんの窓口、保険カンパニー、保険クリニックなどなど色んな代理店があるので相談してみて下さい。
今の家族構成、年齢などから自分に合った保険を選んでくれるはずです。
そして何か合ってもしっかり家族に残せる保険があれば安心できるはずです。
保険というのは生きてく上で本当に大事です。
保険に入っていなくて辛い思いをした人もみており保険というのは本当に大事なんだと実感しております。
この記事をみて保険について見直してみようかなと考え是非ともどこかに相談する事をオススメします。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は、もしものリスクに備えることが出来る「損害保険」について解説してきました。
損害保険には、自分自身の損失補償だけではなく、他人に与えてしまった損失を補償することが出来ます。
また、企業向けや法人向けの保険があることもお判りいただけたのではないでしょうか?
今回紹介した保険をうまく活用して、様々なリスクに備えることが重要です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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