コンビニで買い物をするとき、そのコンビニの看板に、「コンビニ経営者募集」と書かれているときがあります。
コロナ渦で仕事を失い、再就職先を探している方も多いかと思いますが。
コンビニ経営を選択肢とされる方もいらっしゃるかもしれません。
コンビニ経営には本部の社員として働く直営店の雇われ転調と、自身が経営するフランチャイズとがありますが、大半が後者のため本記事ではフランチャイズによるコンビニ経営について紹介します。
フランチャイズ契約をしてコンビニを経営し、生計を立てようと考える場合、気になることはたくさんありますね。
まず「どれくらい儲かるのか」「仕事は大変なのか」といったことが気になりますが、他にも初期費用や経営が厳しくなったらいつでも辞められるのかなども気になるところです。
そこで本記事では、コンビニのフランチャイズ経営は儲かるのかといった点や仕事の大変さ、経営上のリスク、どのような人に向いているかなどについて考えてみたいと思います。
コンビニ経営は儲かるの?
「コンビニフランチャイズ年収」などで検索を描ければコンビニのフランチャイズでの年収がヒットします。
そこで出てくる金額はサラリーマンの平均年収よりも少し高いくらい、おおよそ地方公務員並みのものが出てくるかと思います。
その数字だけを見ればそこそこ儲かるように思えます。
実際に複数店舗を経営して成功し、数千万円の年収を得ている経営者も存在します。
一方でまずコンビニを開店させるには初期費用が掛かります。
大手コンビニでは開店にかかる初期費用は200万円くらいなので、絶対に用意できないような金額ではありませんが、決して安いわけではなく、平均的な売り上げがあったとしても回収には数か月かかる計算になります。
コンビニの種類や契約形態によっては開業資金だけで1000万を超えることもあり、銀行などの融資が必要なケースもあります。
売り上げの中から、商品の仕入れ費、光熱費、バイトなどスタッフの人件費に加え、本部に支払う「ロイヤリティ」などの費用が掛かります。
フランチャイズの場合は経営が赤字になれば収入はマイナスになってしまいます。
また、最初は売り上げが好調だったとしても、近所に急にライバル店が現れて赤字転落ということもあり得ます。
お金持ちになろうと意気込んでコンビニ経営に手を出したものの、結局赤字続きで自己破産へと陥ってしまうケースもあります。
赤字だからもうやめたいと思っても、本部側が決めた契約年数以内にやめてしまうと1000万単位の違約金がかかる場合もあります。
土地・建物がなくてもフランチャイズは可能
大体300万ぐらい自己資金があれば土地・建物がなくてもフランチャイズは可能です。
ただしロイヤリティー(本部に支払うお金)が多くなります。
ロイヤリティー(本部に支払うお金)が多いという事はその分利益は減ります。
その辺はしっかり考えつつそれでも店舗が回っていくのかどうかを考える必要があります。
売上が出るエリアならロイヤリティーが多くてもその分、利益もあるかもしれませんが、売上が少ないエリアだとかなりきつい経営になってしまいます。
なのでその辺は本部・営業の方としっかり相談してサポート体制など聞きつつ開業するかどうかを決めた方がいいのかもしれません。
コンビニ経営は大変?リスクは?
コンビニ経営は、間違いなく大変です。よく「地獄」といわれます。
まずコンビニの多くは24時間経営です。
中には夜には閉店するところもありますが、少なくとも市役所のように「朝9時から夕方5時まで」のような経営でまず儲けることは困難です。
アルバイトであれば、シフトに従って決められた時間のみ働けば、働いた時間に応じで給料がもらえます。
一方で経営の場合は、コンビニが開店している間中全く気が休まることはないため、一人でやるのは困難で、結局夫婦経営になってしまうことが多いです。
コンビニ経営の平均年収は、夫婦共働きで2人とも正規雇用である場合の合計金額と比べれば低目ですので、労働の大変さのわりには収入は低いと考えることができます。
コンビニの電話番号は、レシートに記載されている場合もありますし、調べればすぐわかります。
そのため、深夜でもクレームの電話が入り、店長が対応しなければならないこともあります。
実際にコンビニ側の落ち度によるクレームであれば仕方がないのですが、中にはお客さんの勘違いだったり、悪質なモンスタークレーマーだったりすることもあります。
特に深夜の時間帯は強盗に入られるリスクもあり、最悪の場合命の危険にさらされることもあります。
経営の大変さや赤字により自ら命を絶とうとしてしまう人もいるほど、過酷な環境といえます。
コンビニ経営はライバル店との戦いも
数kmの間にコンビニが何店舗もあるという光景を見た事がありますよね。
また同じ会社が並んでいるという事もあります。
本部としてはたくさん店舗があればそれだけの収入になります。
また営業も成績に関わるのでいかに店舗を増やすかに躍起になってます。
もちろん担当の営業も相談に乗ってくれるとは思いますが、それでも営業は上から店舗を増やすように指示されている為どうしても稼げるエリアでは複数店舗になってしまいます。
その中でどうライバル店舗と闘っていくのでしょうか。
セブン、ローソン、ファミマ、ミニストップなど会社毎に商品は決まっています。
商品開発などは本部の仕事でありコンビニ経営者は全く関係ありません。
ならどこで差別化をするのかという事であればサービスなのではないかと思います。
私が考えるなかで1番のサービスはやっぱりスピードです。
いかに会計が早く済むかです。
並んでいてもレジが早ければ絶対にリピーターになります。
他には雑誌が読めるかどうかです。
立ち読みはあまりよくないですが、やっぱりそこからの集客はでかいです。
最近では本をテープで閉じてしまって読めなくするコンビニも増えてますが、あれは逆効果なように思えます。
他にはトイレが綺麗かどうかもかなりのポイントです。
あそこのコンビニはトイレが綺麗だからあそこに行こうというのも少なからずあります。
なのでそういうサービスで他と差別化するのがいいのかもしれません。
コンビニ経営は複数店舗だと儲かる
どうしても1店舗だけですとなかなか収入は厳しいみたいです。
2店舗目、3店舗目を開業する事でやっと余裕がでてくるというのを聞きます。
どのコンビニも複数店舗経営でロイヤリティー(本部に払うお金)が少なくなるみたいです。
ロイヤリティーが少なくなれば必然と利益も増えますしそうなれば時給も上げられ、バイトを雇う環境もよくなります。
ロイヤリティーが減る事はほとんどプラスにしか働きません。
ただいきなり店舗を増やせば自分の目が届かなくなります。
信用できるスタッフがいればいいですが、全て新規のバイトですと普通に遅れてきたり急に休むといった事もありえます。
なのでまずは1店舗でしっかりとした経験、そして信頼できるスタッフを見つけながら自分に余裕ができたら2店舗目、3店舗目を考えていくのがいいのかもしれません。
コンビニ経営で重要なのはスタッフ管理
コンビニの経営者に聞くとやはりこれが1番の肝みたいです。
24時間経営ですとどうしても自分ひとりではまわりません。
家族に頼んだとしてもやはり限界があります。
そうなると安心できるスタッフを何人か抱える必要があります。
ただなかなかそんな人と巡り合いませんし、もし良い人がいたとしても所詮はバイトです。
お金の付き合いになってしまいますし、どうしても長期間抱えるといった事は難しくなります。
そうなってくるといかに定期的にアルバイトを雇いながら上手くやっていくしかありません。
ただ人を使うのはなかなか難しいですし、また募集も上手く集まりません。
かといって時給をあげてしまえば経営自体が苦しくなってしまいます。
またバイトの中にも万引きしたりさらにはTwitterでおかしな動画を投稿するバイトテロみたいなのが出てくる可能性もありえます。
それで悪評がでて最終的には閉店も余儀なくされる場合もあります。
そう考えると本当にスタッフ管理は大事です。
なので、どうしても必要だという人が出てきたのであれば社員の提示をしてしっかりとした給料そして休みを与えてお互いwinwinの関係を保ちながらコンビニ経営をするのがいいと思います。
コンビニ経営はどのような人に向いている?
上述したように、コンビニ店長としての収入は、一般的なサラリーマンと比較すれば「平均金額」は少なくはないものの、労働の大変さから、割に合わないケースが多いということがお分かりいただけたかと思います。
それでも年々コンビニは増えていますので、コンビニを経営したいと思う人は一定数いるようです。
そでは、どのような人にコンビニ経営が向いているのでしょうか?
まずは「接客が好き」でない場合はやめたほうがいいです。好きじゃないけど得意、という程度では大変さやリスクに耐えきれない可能性が高いでしょう。
さらにはある程度の資金力は必要です。
コンビニ経営は赤字もあり得ますので、それに耐えきれるだけの経済力も必要です。
できれば十分な資産があり、さらにほかに安定した収入があることが望ましいです。
会社員をしながら副業でコンビニ経営というのはまず不可能ですので、不動産投資などで成功し、不労収入だけで有り余るほどの収入があれば一番安心です。
さらには家族全員がコンビニ経営に賛同し、協力してくれることも重要です。
コンビニ経営は必ず家族を巻き込みますし、一人で行おうとするとほぼ寝られなくなります。(独身の人はやめたほうが良いかもしれません)
コンビニの立地も重要です。近くにライバル店がないか、またライバル店を立てることができるような空き地がないか、便利な場所にあるか、といったところも見極める必要がありますので、テンポの場所の土地勘があることも重要です。
ミニストップはFC契約見直しされました
2021年9月から徐々に導入されていく予定みたいですが、今までの契約ですと加盟店の売上高から仕入原価を差し引いた粗利を経営指導料として一定の割合徴収しているようでした。
なので人件費から商品の廃棄などほとんどが加盟店の負担となり、加盟店が赤字に陥っても経営指導料がしっかり徴収されるので、どんなに赤字でも一定の収入を得られるシステムになっていました。
それが新たな契約ですと人件費、廃棄ロスなど店舗運営に必要な経費を差し引いて計算し、基本的に本部と加盟店で折半するという契約です。
なので今までの経営指導料が常に取られる事がなく本部と加盟店で一緒に頑張っていきましょうねという契約になります。
ひと手不足、売上が少ない店舗においては負担軽減されるので魅力的な契約ではないでしょうか。
2021年現在、ミニストップはコンビニ業界で4番手にいますが、今後の発展が期待されるところだと思います。
さいごに
本記事では、フランチャイズ契約によるコンビニ経営について考えてみました。残念ながらとでもじゃないけど多くの人にとって希望に満ちた世界だということはできません。
それでも成功してお金持ちになった人もいます。
接客が好きで、あらゆるリスクに耐えられて資金力がある人であれば、コンビニの経営を考えてみるものアリだと思います。
一方で、「なんとなく儲かりそう」「店長っていうだけでかっこいい」など、軽い気持ちで手を出してしまっては間違いなく悲惨な結末となります。
(情熱をもって実施しても悲惨な目に合った人も多くいます)
アルバイトであれば店が赤字であっても働いた時間に応じて決められた給料はもらえますし、仕事が辛ければいつでも辞めることができます。
また、労働基準法や条例による最低賃金も定められています。
ちょっと接客を経験してみたい、という程度であればアルバイトで雇われたほうが割に合う可能性が高いです。
コンビニ経営に手を出すこととは、相当な覚悟と精神力、さらには情熱が必要であることは言うまでもありません。
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