調理師は大変、苦労するでしょうか、調理師の仕事内容について解説

調理師の仕事でイメージ出来る職場はレストランやホテル・集団調理の現場ですが、正直言うと調理師の免許が無くても日本では調理を行い提供する事が出来ます。

その為、多くの飲食店では調理師免許を持っている人がお店に一人もいない、なんていう事はざらにあります。

飲食店を開業する際にも、調理師免許は必要とされていない為、その必要性を考えてしまう事もあるでしょう。

しかし調理師免許は、調理に対して正しい知識を持っているか?の証明するもので、食を提供する者としてはあった方が顧客に対しても信頼性が増します。

今回はそんな調理師の仕事内容と大変さについてお話をしていきたいと思います。

調理師免許を取るには?

調理師資格を取得するためには、2種類の方法があります。

ひとつは調理師専門学校へ通う事。一般的に調理師資格を取りたいという事になると、専門学校へ進学をする人が多数を占めると思います。

調理師専門学校へ通うと、最短1年間で卒業と同時に調理師免許を取得する事が出来ます。

調理師試験の合格率は60%程度と言われていますが、これは試験の正答率が60%以上で合格の基準というのが正しいです。

合格定員数が無いため、全員が60%以上の正答率であれば全員合格という事もあり得ます。

出題される内容が全国一律ではなく都道府県別によって出題範囲が変わる、栄養学・衛生学を勉強する必要があります。科目は6つある為、全く勉強をしないで合格をする事は難しいかも知れません。

調理師免許を取得する為のふたつ目の方法は、実務経験を2年以上積んだ後に試験を受ける方法。

こちらの方法は一般的にあまり知られていないようですが、専門学校に通わなくても受験資格を得られる方法で、結構あてはまる人も多いのではないでしょうか?

「実務経験2年以上」という部分は、下記の基準を満たしている場合に受験資格を得る事が出来ます。
・飲食店における営業(旅館や簡易宿泊所を含む)
・魚介類販売業(販売のみは、実務経験と認められない)
・そうざい製造業(佃煮を含む煮物や炒め物・焼物・揚げ物・蒸し物・酢の物または和え物を製造する営業)
・学校や病院、寮等の給食施設(継続して1回20食以上、または1日50食以上調理している施設で働くこと)

同じ職場でなくとも合算して2年以上あればOKなので、アルバイトやパートで以前に働いていた勤務先なども対象に入ります。



調理師免許を持つことで得られる資格とメリット

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調理師免許を持つ事で、就職/転職先にアピールできる資格を持てます。

また、調理師試験にある6つの科目には調理理論、食費衛生学、公衆衛生学、栄養学、食品額、食文化概論を学びますので、必然的に安全面での知識に触れる事になる為、飲食店で起こしてはいけない最大のミスの一つ「食中毒」などに対する防衛・予防策を持っている事も意味します。

コロナウイルスまん延以前より飲食店は商品の特性上、衛生面に対するルールや規則が多くあります。

コロナウイルスのせいで鳴りを潜めていますが、冬の季節はノロウイルスにも気を付けなくてはなりません。

ノロウイルスは人を通じて感染をする為、お客様が外から店内に持ってきてしまったとしても、店内でノロウイルスが発生すればお店の責任となり営業停止処分(おおよそ3日間)を受けます。

こういった衛生に関する知識は持っていれば持っているほど良いのですが、それ以上に店舗で衛生に関する意識を上げて、実際に実施をして継続させていく事が一番重要になります。

調理師の仕事は大変?

調理師の仕事で大変な事は、就業場所によって様々ですが分類分けすると、時間・人間関係・給与に分けられると感じます。

深夜営業をしている飲食店であれば長時間労働になってしまいます。

人間関係が上手くいかなければ、それだけでストレスになります。

飲食業界の仕事は業界別平均で見ても給与水準が低く、働いても生活が豊かになりづらいといった事も。

調理師という職種の大変さではなく業界全体の大変さに比例してきますが、この辺りが大変だと考えられる所以でしょうか。

年々減っている調理師の人数

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調理師を目指す人口は年々減ってきています。

全国調理師養成施設協会 調理師試験・免許統計によると、2018年に調理師免許を交付された人数は30,612人となっています。

2003年には約55,000人が免許を交付されているので、15年の間に約45%減という数字です。

因果関係は分かりませんが、2003年ごろはADSLなどインターネットつなぎ放題定額サービスが世間に広まり、家庭への普及率が60%を超えた頃です。

情報へのアクセスが容易になってきた時代ですので、飲食業界での仕事内容や給与水準が高い業界なども広く知られてきた事で、飲食業界への就業を希望する人間が減ってきてしまったと勝手に考えています。



調理師の仕事内容はどんな事をするの?

調理師の仕事は調理に携わる事全てと言っても過言ではありません。

場合によっては、ホールのオペレーションなど提供に関する事まで見る必要があります。

具体例をレストラン勤務だったとして考えてみましょう。

朝9:00に出勤をしてから、まずは手洗いから始め調理器具や機会の立ち上げ。

オープンに間に合わせるように仕込みと準備を始めます。

その日の予測売上・前日食材の残りなどを把握・計算をして過不足なく仕込みを行う事が重要です。

仕込みなど厨房の中での仕事は、出来るだけ仕事のカテゴリーを決めて同時に出来るものは同時に行う事が時短のコツです。切るものは全てまとめて切ってしまうなどです。

こういった作業は、店舗のオペレーションに慣れている人がいれば、その人のやり方を真似する事が一番の近道です。

社員・アルバイト・パートに限らず、仕事が早い人は本当に仕事が早いのでどんどんやり方を学んでいった方が良いです。

オープンしたらお客様のオーダーをこなしつつ、食材の状況を把握・料理の品質チェック・各ポジションの状況の把握をします。

これは調理師の仕事というより、店長やセクションリーダーの仕事に近いかも知れません。

ランチ営業をしているお店であれば、ランチの時間は本当に時間との勝負で1時間の内にとんでもない数のオーダーが入ってきます。

よって、前日の夜の仕込みが非常に重要になってくるのですが、前日の夜からの引きつぎが甘かったり、終わっていないものがあったりすると、当日の朝が大変になります。

また、ここでよくあるのがアルバイトスタッフの当日欠勤。

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ランチ営業での欠員は、代わりの人員を用意する事も難しく当日欠勤は非常に厳しい状況に陥ります。

ディナー営業であれば、ランチのスタッフが伸びてもらったり夜だけ出てくれるスタッフを探したり出来ますが、ランチはそうもいきません。

このような当日のスタッフ欠勤トラブルは、飲食業界だけではないですが非常に困るトラブルの一つです。

ようやく昼の営業が終わってもまだまだやる事はたくさん。

ランチが終わって一度店を閉めるところなら良いのですが、そのまま通し営業をするお店の場合、スタッフ休憩回しが待っています。

スタッフの休憩回しをするまでに終わらせておかなくてはならない事、業者への食材発注などもあります。

業者によって翌日納品分の締めきり時間がある為、オペレーションだけに入っているわけにはいきません。

そうこうしている内にディナー営業が始まります。

夜の営業はランチと比べて比較的ゆったりとした営業になる事が多いですが、翌日のランチの仕込みも並行して行っていかなくてはなりません。

このようにランチ営業をしているお店は、仕事量が多く大変に感じられる事が多いです。

それでも、調理師をはじめ飲食業界の仕事は正直言って楽しいです。

ここまでお客様と近くで接客をして、話が出来て、ダイレクトに反応が見れる職業ってなかなかないと思います。

調理師をはじめとした従業員への給与や待遇が上がっていく事を切に願います。

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