紹介会社や転職エージェントが非公開求人を持っている事は知っているけど、実際にはどうやって求人企業に紹介をしているの?
今日はこんな悩みを持っている人に向けてお話をしていきます。
今や有料職業紹介事業を営んでいる会社は、日本全国に2万社を超えている状態で正に戦国時代。
日本は少子高齢化が進んでおり、中途採用市場において一番需要のある28歳~35歳の層を2万社が取り合っている状態です。
大小さまざまな規模でありますが、そのほとんどがエージェント数5名以下の中小企業です。
会社規模が大きければ良いとは一概に言い切れず、紹介会社のアドバイザーやエージェントも個の集まりです。
相性はもちろん、その人独自のノウハウやスキルを持っている事も多く、転職活動を優位に進めていくには彼らの仕事内容を理解しておくことも重要です。
今日の記事はエージェントが転職希望者を企業に推薦するまでをお話していきたいと思います。
転職希望者の集め方
まず求人サイトやスカウトメール、各種メディア媒体などから転職希望者を集めます。
この求職者を集める方法というものが上手くいかないと、中小企業は事業の継続なんて夢のまた夢になります。
転職希望者が商品そのものになる訳ですから、求職者を集められないと仕入れがまったくない状態とイコールです。
グーグルなどでよく見る一番上の【広告】と入っているサイト。
あれらは全て企業や個人がグーグルやメディアに対して広告費を払い、WEBサイトのアクセスが集まりやすくしている、PPC(ペイ・パー・クリック)広告やリスティング広告と呼ばれるものです。
1クリックあたり〇〇円という風に、クリック毎に課金がされる従量課金型。
その中でも「転職」というキーワードはかなり大きなビッグワードで、転職というキーワードでページの一番上に表示(上位表示)されるには、年間約8億円かかります。
それだけ大きな市場なので、当然企業規模が大きい会社が上位に名を連ねます。
このあたりの話は転職活動と関係なくなってしまうので、割愛しますが求職者を集めるだけでもそれ相応のお金がかかるという事ですね。
規模が小さい会社は広告費にお金をそこまでかけられないので、無料求人サイト(インディードやエンゲージ、Air workなど)に求人を載せて希望者を集めています。
希望条件に沿って求人を探す
そうやって応募してきてくれた方に対して、エージェントは一生懸命仕事を探します。
まずは転職希望者の希望条件、居住地域などを確認しその内容に沿った求人を提案していきます。
大体一人の求職者に対して、4件~10件前後は求人を紹介すると思います。
これは人によりますが、一気に紹介をしてしまうと求職者がどの求人が分からなくなってしまい、応募をためらったりしてしまう事もあるので小分けにして紹介。
それを逆手にとって、求職者の判断軸を色々な方に向けさせて最終的な判断をエージェントに任せるように仕向ける方法を取っている人もいます。
逆手にとって・・・という言い方をするとあまり印象が良くないかも知れませんが、求職者の中には転職理由や退職理由、自分の強みを上手く言語化出来ていない人も非常に多いのです。
そういった迷いに似た感情を上手く顕在化させる為にも、主導権をエージェントが握ってしまった方が良いというケースもあります。
どちらにせよ、まずは転職希望者の希望にあった求人を真っ先にエージェントは探します。
紹介会社や転職エージェントは求人の中身を調べる
先述したように、4件~10件前後の求人をピックアップしたら求人票の中身を調べます。
中身と言うのは、勤務時間や月給といった表面的な部分ではなく求人企業が出している本当の希望を確認する為。
応募可能年齢、必須応募資格、書類選考見送り・通過事例などを確認し転職希望者がまず応募可能かどうかを判断していきます。
応募要項に当てはまっていれば、そのまま応募をしていく事も可能なのですがそう上手くいかない事が多く、ここで巷にてよく聞かれる「希望求人と違うもの」を出すわけです。
先述した広告費にも関係していますが、1件や2件ダメだったからと言ってエージェントは「じゃあまた機会があれば~」とはなりません。
何とかして採用に進める可能性の高い求人案件を探し、転職希望者に提案をします。
その提案も適当にやるわけではなく、個人の経験やスキルから出来る限り希望に近い企業をピックアップし、攻め方を考えていきます。
職種軸・業界軸・年齢軸などの軸で見て、何とか企業との接点を見つけます。
あとはキーワードの羅列。
仕事内容を箇条書きにしてみたり、一人ブレストをしてみたりして仕事内容の洗い出しを行ったりもします。
例えば前職が飲食店スタッフの人であれば
接客、レジ、清掃、日報、エクセル使用、マニュアル作成、アルバイト管理、洗い場、備品発注、棚卸、調理補助、ストレス耐性、コミュニケーション能力
こういったキーワードに対して親和性のある仕事を想像します。
上記のキーワードだと飲食業界の営業/広告営業や、コールセンター、販売などの仕事が想像つきやすいでしょうか。
キーワード抽出は転職者の人にも是非やってもらいたい方法で、職務経歴書をまとめる際などにも効果を発揮します。
キーワードからどんどん言葉繋げていくようなイメージです。
応募承諾を取る
上記の例で営業職をエージェントが提案してきたとして、それを受け入れられかった場合。
営業は嫌だ。と。
そうなるとなぜ嫌なのかの確認を行います。
なんで嫌なのですか?と聞かれると、イメージで言うしかないと思うのですが、それで良いのです。
人間は経験した事がないものに対して、普通はメンタルブロックがかかり不安に思うもの。
ネットが発達したこともあり、情報はいくらでも手に入る時代です。
それは特にネガティブな部分にクローズアップされる傾向があり、嫌な部分ばかりが目につきます。
そのイメージが先行してしまい、営業は嫌だと。
その会社の営業が嫌なのか、そもそも営業という職種が嫌なのか。
このあたりの見極めも必要になってきますが、うまく仕事内容を説明する事が出来て「応募してみる」という言葉を転職希望者から言ってもらうまで根気強く、様々な仕事紹介を行います。
これがエージェントうざいと言われる原因のひとつでもある事は認識していますが、勝手に求職者の承諾なく応募をするわけにもいかないので、このような流れになってしまいます。
求人企業に出す推薦状
無事に応募承諾が取れたら、いよいよ企業に推薦を出していきます。
推薦状には決まった書式はなく、エージェントによって書式は様々。
この推薦状ひとつで企業が応募書類をどの程度の気持ちで見てもらえるかが決まりますので、エージェント側もここは手を抜けません。
書式自由とは言え推薦状の内容は、推薦ポイント・転職理由・前職(現職)年収・希望年収・最低希望年収を最低限記載します。
これを元にして推薦状を作っていくのですが、この中でも重要なポイントは転職理由が一番。
求職者本人の履歴書や話だけだと、どうしても本当の転職理由を濁されてしまったり主観的すぎる目線に偏りがちな為、第三者が面談をした上で把握している本当の転職理由を企業は重要視します。
紹介会社やエージェントに登録をした際に必ず面談をするのは、希望条件や指向性を確認する他、この推薦状に記載する為の事とも言えます。
面談の時間が多ければ多いほど、推薦状の精度が上がっていきます。
精度が上がれば書類選考を通った後の面接で、楽に面接を受ける事が出来ます。
書類選考が通らなかったとしても、推薦状を一度でも作ってしまえば企業によってカスタマイズしていくだけになるので、後々の選考にも効率的になりメリットしかありません。
推薦状を作成するメリットは大きい反面、この推薦状を適当に作られてしまうと第一印象も良くないものになってしまいます。
転職希望者が実際に紹介会社や転職エージェントを使って企業に応募をするという段階になったら、推薦状を一回自分の目で確認をしてみる事をオススメします。
「推薦状の内容に自分の経験や希望と違いが無いかという事を確認したいので見せて頂けせんか?」と言えば、エージェントも対応してくれます。
それをいう事によって、エージェント側も適当な推薦状を作れなくなるのでオススメです。
さいごに
紹介会社や転職エージェントはどうやってあなたを企業に推薦しているのか?についてお話をしてみましたこういった作業を求職者の数だけ行っています。
ひとりのエージェントが担当出来る人数にも、当然限りが出てくる事はお分かりいただけるかと思います。
転職エージェントに登録したものの連絡が来ないという話もしょっちゅう聞きますが、転職希望者の人も待っているだけだと話は回ってこないという事です。
だからこそ自発的にエージェントに連絡を取り、良い案件は逐一話が出来るような関係性を築いておくと転職活動を有利に進める事が出来ます。
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